入学希望の小規模特認校には学童がないことから、通うためには仕事を辞めなければいけないことがわかりました。
しかし、職場では更なるキャリアアップの話もあり、どうすればよいか迷う場面がやってきました。
私のキャリア
もともと、こどもの出産を機に前の職場を辞めた私は、こどもが保育園に入ったタイミングで派遣会社を通じて、大学の事務所で働きだしました。
業務はヘビーでしたが、職場が家から近く、勤務時間がコントロールしやすいこともあり、収入を得ながら子育てを両立させるという面で、良い職場だったと言えます。
ちなみに派遣社員には「3年ルール」というものがあり、2015年の労働者派遣法改正により、派遣社員は同じ派遣先の同じ部署で3年以上は働けないという制度があります。
こどもの入学について検討していたとき、職場ではちょうど3年目を迎えていました。
そして、春に派遣契約を更新するときに、派遣会社から3つの選択肢を提示されました。
1つ目は同じ派遣先で、別の部署を探すこと。
これには、別の部署で欠員がある必要がありました。
2つ目は派遣会社の無期雇用派遣者として雇用されること。
無期雇用派遣者は、派遣会社と期間を定めず雇用契約を結び、派遣先での就労期間が終了しても、派遣元との雇用契約が継続する雇用形態です。
3つ目は退職すること。
派遣社員としては退職することになりますが、大学側に直接雇用されるケースもあると聞いていました。
派遣社員として働く中で、より待遇が良くなることが見込める直接雇用になればいいなと思っていましたが、なんと、直接雇用の話を大学から提案されたのでした。
直接雇用になると、大学から雇用されることになり、雇用形態や福利厚生などが変化します。
提案された雇用形態では、産休・育休や病気休暇など、派遣社員として働いているときよりも制度が整っていました。
そして何より魅力だったのが、時給から月給に変化するということ。
時給で働いていると、祝日が多い月や長期休暇のある月は、ガクンと給与が減るのでかなりの痛手でした。
これで安定した給与を手にすることができる、という思いと、3年頑張ってきたことが評価されたようで、とてもうれしい気持ちになりました。
このまま直接雇用の話を進めてもらおうと思っていた秋ごろ、小学校どうする問題が出てきました。
決められた小学校に入学し、学童に預けてフルタイムで仕事を続けることが当たり前と考えていましたが、現状を変えてでも魅力的な小学校があるとは、世の中分からないものです。
最初は小学校に学童がないことが信じられず、小学校に電話して「ほんとですか?」と質問したほどです。
しかし、本当にありませんでした。
有料の通学バスがあるので、子どもだけでも通学する方法はあります。
けれど、学童がないため、こどもが家に着いてから私が仕事から帰ってくるまでは、ひとりで何時間か家で過ごすことになります。
送迎サービスや民間学童の利用、校区の小学校の学童利用など、いろいろアイディアは浮かびましたが、考えれば考えるほど、新しい環境を子ども1人に負わせることはできないと思いました。
ここでぶち当たった「子どもの教育環境を優先する」か、「自分のキャリアを優先する」かという問題。
世帯収入を大幅にダウンさせてまで小規模特認校へ入れたいのか。
私も30代に入ったのに、次へ進める道を断ってしまって良いのか。
かなり迷いました。
いろんな人にたくさん相談しました。
夫婦でも悩んで悩みまくって出した答えが仕事を退職し、小規模特認校へ入学させるということでした。
「自分で考え、挑戦する人になってほしい」という夫婦共通の思いを優先させることにしたのです。